「運動部みたいな、元気な挨拶を部下に強要しろ」
と、社長から意気揚々と命令され、思わず真顔でバカなんですか?と即答しそうになりました。こんにちは、どぶのごみ子です。ちなみに、命令はのらりくらりとなかったことにしました。
会社での挨拶は大切です。
何故なら、挨拶は人間関係を円滑にしてくれるツールであり、最もお手軽な処世術だから。
ただ挨拶を強要するとか、ましてや挨拶で社員を評価する会社は
バカなのかな?
と本気で思います。
かつて私の会社には、社長に言われるまま部下に大声挨拶を強要した大バカ野郎元上司がいました。
その結果、何名か退職者を出しました。
社員に挨拶を強要しても、うまくはいきません。
強要したって社員は元気に挨拶をするようにならないし、それどころか最悪辞めようとさえします。
何でもムリヤリはだめなのです。
ということで、今回は「挨拶を強要したって完全無意味」がテーマです。
挨拶を強要しても会社にメリットはない
挨拶を強要する会社で起こることは
- 社員のモチベーションが下がる
- 社員が辞める
のどちらかです。
間違っても会社が思ってるような、明るく挨拶を交わす会社にはなりません。
最悪、暗さが倍増してお葬式のような雰囲気が漂う会社になってしまうかもしれません。
強要した挨拶がうまくいかない理由
強要した挨拶がうまくいかない理由は
- 挨拶と業務能力は別物だから
- 社員は挨拶できないわけじゃないから
- 挨拶は強要されて行うものではないから
- 強要してやらせても意味がないから
です。それぞれ補足します。
挨拶と業務能力は別物
そもそも、挨拶と業務遂行能力はイコールではありません。
【仕事はできるけど挨拶できない人】もいるし、
【仕事はできないけど挨拶できる人】がいるように、
【仕事ができなくて挨拶できない人】だっている。
普通に考えて、当たり前なんですよ。
人間の能力が皆等しいなら、この世から得意不得意って概念はなくなります。
挨拶を強要された社員は「仕事はちゃんとしてるのに挨拶強要されてダルいな」と会社に不満を持つことでしょう。
もっと恐ろしいのは挨拶で社員を評価することで、迂闊に【仕事はできないけど挨拶できる人】を評価すると、【仕事はできるけど挨拶できない人】をごっそり失う可能性があります。結果、仕事がまわりません。
社員は挨拶できないわけじゃない
部下の挨拶が気に入らないと「ろくに挨拶もできないダメな奴」というポジションに部下を落としたがる上司がいます。
しかし本当のところ、その部下は【挨拶できない】んじゃなくて【挨拶したいと思えない】だけの場合がほとんどです。
何が言いたいかというと、社員がまともに挨拶しない会社は、挨拶以外の問題が社内に蔓延している可能性が大ということ。
いじめがあったり、人間関係が悪かったり、仕事を押し付けあってたり、上司がクズだったりと問題を抱えていることが多く、社員はそんな会社に辟易しています。
よって社員は、
↓
挨拶したくなくなる
↓
挨拶しない・またはしょぼい挨拶になる
という一途を辿るのです。
嫌だったら挨拶しなくてもいいのかと言われれば勿論そんなことはないのですが、社員が会社を嫌がる原因をなくさない限り、明るい挨拶が飛び交う日はきません。
また、そんな中部下に挨拶を強要すれば、部下の会社に対する嫌気は倍増します。
挨拶は強要されて行うものではない
会社での挨拶は義務でもルールでもなく、一緒に働く人への最低限の気遣いです。
よって、挨拶しない人に対して「挨拶しろ!!」と怒ったり、強要したりする権利は誰にもありません。
いわば挨拶の強要は「私を気遣え!」と言っているようなもの。
気遣いを要求された社員は、ますます心の温度を下げていくことでしょう。
そんな社員の行き着く先は、反抗心を燃やしてさらに挨拶しなくなるだけです。
強要してやらせても意味がない
部下に何かを強要することを【部下の教育】だと勘違いしている上司は少なくありません。
しかし、挨拶だけに限りませんが、人に何かを強要することは無意味です。
なぜなら強要したって物事の本質は伝わらないから。
挨拶という文化を会社に取り入れたいのであれば、まずは会社のトップや上司が部下に挨拶して、その大切さを教えればいいのです。
上司から挨拶されて挨拶の大切さや必要性を知ることができれば、部下だって自分から挨拶をするようになるでしょう。
世の中には「目下の者から挨拶するべきだ」と言う上司様もいるかもしれませんが、あのね、多分あんたがそんなんだから部下は挨拶しないんだと思うよ。切実に。
重要なのは強要して挨拶させることではない
「社員が挨拶をしない」という表面的なことのみに着目している会社は少なくありません。
その結果、管理職は挨拶の強要なんて恐ろしい行動に出るわけで。
しかし大事なのはそんな表面的なことではなく、「なぜ社員は挨拶をしないのか」という本質を考えることです。
そこをクリアしないことには、人を何人雇おうが、どんなに強い強要をしようが何も改善しません。
というか、もしも社員が強要を受け入れたとして、張り付けた笑顔と絞り出した大声で挨拶を交わし合う姿って、ホラー映画なんて目じゃないレベルで怖くないですか。
強要しなくても挨拶する会社になれ
挨拶は大切ですが、目指すべきは【強要しなくても挨拶する会社】です。
明るい挨拶を!と思う偉い方々の気持ちは理解できるのですが、そういう「気持ちのいい挨拶」は強要によってもたらされるものではないことは知っておかなければいけません。
強要なんて付け焼刃で挨拶させても、意味はありません。
ちなみに私は、ぺーぺーに毛が生えただけのしがない中間管理職ですが、基本的に誰に対しても自分から挨拶します。
そして部下には「うへ~い」とか言いながら挨拶します。(気の利いたことが言えないのでノリでカバーしているつもり)
部下はとりあえず返事に困りつつ笑ってくれます。うん、たぶん苦笑ってやつ。
こんな意味の分からん挨拶しかしない私ではありますが、よく部下から相談事を持ち掛けられるので、一応受け入れてはもらえているようです。
社内の挨拶なんてこんなのでいいんじゃないでしょうか。
さすがに「うへ~い」はどうかと自分でも思いますが、だからといって形式的であればよいというものでもないと思います。
部下に強要し委縮させた状態で「おはようございます…」と言われるくらいなら、にこにこしながら「オッハー☆」とか言われたほうが何倍も気分がいいです。例えオッハーが死語でも。
強要して形だけの挨拶をされることよりも、挨拶を通して信頼を積み上げることのほうが意味があるはずです。
強要なんてくだらないことをしなくても、気軽に挨拶が交わされる会社ばかりになればいいのですが。
しかしまあそんなことは無理なので、程々のところに着地しましょう。
んじゃまた。