死にたいと願うことは人生でそうそうありません。
絶望した瞬間に「うわあああ。死にてえええ」とか口走った過去はあれ本気ではなく、私は今日に至るまで自殺未遂を起こすこともなく毎日せっせと仕事をしてはあぶく銭を稼ぎ、食料を買い込んでは飯をこさえ、大して美味くもないそれを喰らって地道に命を繋いできました。
でも、死にたいと思わないことと生きたいと思うことはイコールでもないらしく。
「もう生きていたくない」「もう生きていける気がしない」と思うことは日常茶飯事です。
こんにちは、どぶのごみ子です。
別に、猛烈に落ち込む出来事があったとか、突然人生の窮地に立たされたとか、これを遺書にして死ぬつもりだとか、そういったわけでは一切ないので心配には及びません。私の日常はいつだってくだらなくも平和です。
平和だからこそなのか生粋の貪欲なのかはさておき、それでも生きることに嫌気が差すと言いますか、もう生きていたくないなあと思うこともあるよねというだけの話です。
死にたいのではなく、もう生きていたくない
生きていたくないなあと最初に思ったのは確か小学校二年生。
理由は単純で、ただ学校に馴染めなかったのです。
以後は「今日もいい天気だなあ」と思うのと同じくらいの頻度で「もう生きていたくないなあ」と思いながらぼんやりと生きてきました。
友達や恋人、年齢、所属する組織が変わろうが、私の心はいつでも生きることに少し後ろ向きです。
そして死にたいというよりも、生きることをやめたいという日本語のほうがしっくりきます。
とはいえ、誰かに暴力を振るわれた時は手で防御してきましたし、インフルエンザにかかった際には遠くに住む弟に「ありったけのウィダーインゼリーを明日着で送ってくれ」と連絡しています。
私の気持ちに関係なく、私自身はいつだって生きることに前向きです。
それでも定期的かつ大した理由なく、生きていたくないなあと思うのです。
しかし天気のいい日があれば悪い日もあるように、私の生きていたくないレベルにも調子があり、結局今日までのうのうと生きてきました。
どうしてこんなに生きていたくないんだろう
と思うことはありませんかね。
私はよく思います。
特に私の場合は、我ながらちっとも波乱万丈じゃない人生を送っているという自覚があります。
自分で言うのも変ですが、私の人生は私の心ひとつで楽しくなるような要素がそこらじゅうに散らばっていました。
そしてもちろん楽しいことも沢山ありました。
それでも、何となく生きていたくないと思う日もあるのです。
小さな理想が生きていたくない気持ちを大きくする
人が生きていくためには、ささやかな夢とか理想が必要だと思います。
例えばそれは結婚がしたいとか、絵が上手くなりたいとか、お金が欲しいとか、人によってそれぞれでしょう。
ただ、その理想が現実から遠すぎると、人は生きたくなくなります。
ちなみに私は、いつでもどこにでも馴染める存在になることが理想です。
本人的には努力しているつもりでも、結局どんな組織でも少し浮いてしまうのが現実ですが、本当はもう何年も「そうではない自分」に憧れています。
だから私の理想は、私には背伸びしすぎの夢のようです。
しかし簡単に理想を捨てられず、かといって理想の自分が遠すぎるので、私はつい生きることを諦めそうになってしまいます。
もう生きていたくないと思うくらいいいじゃない
とはいえ、私はこれからも「もう生きていたくないなあ」と思いながら何もせず、ただ生きていくのだと思います。
だって思うだけなら人に迷惑はかからないでしょう。
「人様には極力迷惑をかけない」という、なけなしの矜持にしがみついているうちは、文句を言いつつもしぶとく生きていく予定です。
だから私は、シーソーみたいに絶望と現実逃避を行ったり来たりしながら、存在しない「ちょうど釣り合う重さ」を目指して怠惰に生きるしかありません。
他人や家族、はたまた国や警察の世話になることなく、騙し騙し生きていくことが私にとって精一杯かつ上等の生き方です。
世の中には「世界は素晴らしい、生きるって美しい!」と言う偉大な人がたくさんいて、もちろん言っていることは正しいのだろうけど、例えそれが真実でもそう思えない私がいるということは私にとって世界は素晴らしくない場所であるということ。
ただ、別にそれだけのことです。世界を変えようとも自分を変えようとも思いません。
だから私は今日も明日も明後日も、生きていたくないなあと思いながら渋々生きていきます。
なので「死にたい」と言う人に出会ったとしても、「死ぬなんて悲しいこと言うなよお!」とジャンプ漫画の主人公みたいなセリフは口にできません。
ただ、だらだら文句を言いながら、だらだら生きるという方法もあるのではないかなと思うのです。
本当にどうにもならなければ死ぬのは、生きていたくない人も生きていたい人も共通ですし。
とりあえず私は明日も頑張って生きてみますね。
んじゃまた。