痛客に愛された元キャバクラ嬢が、楽しいクソ客エピソードを披露する

痛客に愛された元キャバクラ嬢が、楽しいクソ客エピソードを披露する 雑記
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「素敵なお客様もいるけれど、痛い客も多い場所」と書いて「キャバクラ」と読むと思っています。

こんにちは、どぶのごみ子です。


痛客。


という存在を文字通り「痛い言動をするお客様」と捉えるなら、痛客はスーパーだろうとコンビニだろうと至るところに生息していますよね。

ですが、キャバクラに来る痛客たちには、一般販売店に現れる痛客とは少し違う「変化球の痛み」があると思っています。



「自分の思い通りに人を動かしたい」という全痛客に共通する心根は持ってはいるものの、一般的なクレーマーじゃ持ち得ない「店舗従業員から愛されたい」という感情を抱えているケースも多く、難解度はまさにトップレベル。


しかしその意味不明さこそ、他人の深手痛客エピソードでクスっとできる所以でもあります。


ということで今回は「私がキャバクラで出会った愛すべき痛客たち」を紹介します。もう卒業しているし晒しても時効。(たぶん)

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キャバクラの痛客ってそもそも何だ

キャバクラの痛客ってそもそも何だ

側で見ていて思わず「いてえ!」と叫び出したくなるような言動を取るから痛客と呼ばれるわけですが、キャバクラの痛客についてもう少し詳しく説明すると

  • 「付き合おう」「ホテル行こう」としつこく迫ったり
  • 酔いつぶす気満々で大量にお酒を飲ませたり
  • 些細なことで激怒して周囲を振り回したり
  • 暴言や説教でキャバ嬢の心を折ったり
  • ひっきりなしに自分のポエムとか息子の写真を送ってきたり

するお客様のことです。痛いですね。

私は自身のキャバ嬢経験の他に少しだけ黒服の経験もあり、色んなキャストの痛客相談にも乗りましたが、そこに登場する痛客もだいたいは似たような言動だったと記憶しています。


ちなみに「店には通えないけど外で会おうよ!」と言う方はもはや痛客でも何でもなく、ただの痛い奴です。

痛客コレクターだった私

現役キャバ嬢時代、他のキャストやボーイから「ごみ子ちゃんのお客さんって、痛い人多いよね…」とよく言われていた私。


と申しますか、美人でも話上手でもない私は、他のキャストが相手にしない痛客様を取り込むしか大きく成績を伸ばす方法がなかったのです。そもそもこの事実が心にいてえわ。


ですが私には、だいたいのお客様のことを「おもしろい方だな^^」で済ませられる頭の悪さがあったため、実際はそこまで痛客の接客が苦になることもありませんでした。

何なら「若くてお金持ってて遊び方も知っている、陽キャな俺」感のあるお客様の方が、陰キャの私は接客しづらかったです。


かくして、私のお客様は店から痛客認定される人が多く、私はしょっちゅうボーイから「痛客たち大丈夫?」と心配されていました。

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キャバクラで出会った痛客【まだ可愛い編】

キャバクラで出会った痛客【まだ可愛い編】

痛客によるノンストップLINE攻撃や謎の恋人気取りなどの言動は、キャバクラで働くうえでは「よくある他愛もないこと」です。

しかし私を指名してくださる痛客様たちは、よく言えばユーモアに溢れた「可愛い痛さ」を持つ方も少なくありませんでした。

そこでまずは「痛いな」とは思いながらも嫌いになりきれなかった痛客様の、笑えたエピソードを紹介します。

プレゼントのセンスが秀逸な痛客

「この店の女は全員俺のもの」的なハッピー思考で、ヘルプ嬢にも卑猥な言葉を浴びせまくるため、お店のキャストほぼ全員から嫌われていた痛客様。


そんな痛客様がある日「今度バッグを買ってやる」と言い出しました。

そして後日、100円ショップ「ダイソー」の札が付いたバッグをプレゼントされたのです。(でも100円じゃなくて300円のバッグだった)


ヴィトンだろうがダイソーだろうが、ブランド品にさほど興味がない私からすればそんなに大差はありませんが、わざわざ「買ってやる」と宣言しておいて100均アイテムを贈るセンスにはさすがに驚かされましたね。せめて札取れよ。


しかしそこで嫌な顔せず受け取った私に気を良くした痛客様は、その後もあらゆるダイソー珠玉の品々を私に贈ってくださいました。

私を床屋にした痛客

出会った当初は、ふわふわ?もじゃもじゃ?なアフロヘアがトレードマークだった痛客様。

ある日お店にやって来るなり私の手にバリカンを持たせ「毛を刈ってほしい」と頭を下げました。

お客様曰く「君に散髪してもらいたい」「なんなら切った後の髪の毛を持っててくれ」とのこと。

映画や小説などでは「誰かに髪を贈る」という描写を見たことがありますが、実際に贈ってくださったのは後にも先にもこの方のみです。まあそもそも求めてもいないのですが。

毛が散らないようご丁寧にケープまでご持参いただき、私も「バリカンなんて使ったことないから使ってみたい」と好奇心がわいたためそのまま席で散髪開始。


バリカンを入れる準備としてガチ無造作に毛を切りまくっていたら、すぐさまボーイがすっ飛んできましたが「ざんばら頭過ぎてこのままじゃ帰せない」と言うとしぶしぶ承諾し、痛客様は無事に私の手によってアフロから坊主に生まれ変わりました。

担当の母の名を腕に刻んだ痛客

もともとは他のキャストを指名していましたが「愛が重すぎて痛い!」という理由でキャストが病んで退店してしまったので、私に指名替えした痛客様。

「重い愛」というよりかは「面倒な愛」という言葉がぴったりな情緒不安定さがありましたが、あまり構わずそっとしていたある日、私の源氏名を腕に彫って来店されました。


ですが私の源氏名は、当時私を担当してくれていたボーイのお母さんの名前…!


「源氏名は何でもいいので、適当に付けてください」とお願いした私に、担当はお母さんの名前を旧姓フルネームでつけたのです。


「俺の愛だ」と言いながらうっとりした表情でタトゥーを撫でる痛客様の後ろで、担当が真っ青になっていましたが、そもそも適当に名づけ過ぎるからそうなるわけで…。

キャバクラで出会った痛客【ガチ殺意編】

キャバクラで出会った痛客【ガチ殺意編】

「普通の痛客ではダメージレス」だった私にも、時には本気で殺意を覚える痛客がいました。

ここからは今でもマイナスイメージで印象深い、痛客2人のエピソードを語ります。

メンヘラを大爆発させた痛客

常日頃から「愛してくれなきゃ死ぬ」的な発言が多く、しょっちゅう切り刻んだ腕の写真を送ってくださった痛客様。

私が他の指名席へ行っている間にヘルプ嬢の前でリストカットを始め、見事に店を巻き込んだ大騒動を起こしてくださいました。


「ずっと俺の隣にいてえええ」とドラマのようなセリフを言いながら腕を切る男を見たのは生まれて初めてで、たかがキャバクラ嬢によくもまあそこまで思い入れられるなあと感心したものです。

痛客様はボーイが呼んだ救急車で病院へと運ばれ、以後はお店を出禁となったのでその後の行方は知りませんが、健やかに暮らしていればいいなとは思います。

私に酒をぶっかけた痛客

普段は問題行動が目立つタイプではないのですがいかんせん酒癖が悪く、悪い酔い方をすると気が大きくなる痛客様。

そんな痛客様はある日、他の指名席から戻ってきた私に「遅い!」と言って、頭からブランデーをぶっかけやがりくださいました。



「もういくら金積まれても喋らねえ」

と心に誓った瞬間でした。


別に私ごときお酒を浴びて汚れるくらい何でもないのですが、キャバクラ嬢として働いている時間は他のお客様もいる手前汚されては困ります。


「どんな痛客でも大丈夫です、指名されれば喜んで席に着きます」というスタイルの私が「もうあの席には着きたくありません」と言ったのは、長いキャバクラ人生でこの痛客様のみでした。

キャバクラの痛客にはどう接するのが正解なのか

キャバクラの痛客にはどう接するのが正解なのか

キャバクラで働く以上切っても切れない痛客との関係。

どう接するのがベストなのかは私も悩んだことがありましたが、最終的に「積極的に関係を切ろうとしないけど、追いもしない」というルールに落ち着きました。


私のほうから怒ったり、出禁にしたりすることはほとんどなかった代わりに、痛客に無理に合わせたり、ポイントを稼ぎに行くようなこともしなかったのです。

よって、

  • 面倒なネタは全部スルー
  • だいたいの要求は「仲良くなったらね」で片づける
  • 鬼電とか鬼LINEには反応しない

という、いわば「塩対応」のような接客営業がデフォルトでした。


そもそも痛客は「信頼も期待もできないお客様」なので、あまり時間や熱意を費やしても意味がないのです。


とはいえ「あくまでお客様」でもあるので、うざいんだよ!とLINEで本音をぶちまけたり、着信拒否をして関係を壊しにかかったりする必要性も感じません。


結局、私が痛客から指名を集めたのは、これが一番の理由だったんだと思います。

だいたいの痛客はどのお店に行っても嫌われるので、キャバ嬢からキレられる、LINEをブロックされる、出禁にされるなんてことは日常茶飯事。

だからこそ、ただ適当にかわし続けるだけで「怒らないでいてくれるなんて優しい!」と勝手に好印象を持ってくれるのです。

もちろんそこに至るまでにはbotの如く送られてくる大量のLINEに慣れたり、勝手に激怒する痛客をためらいなく放置できる無神経さを身に付けたりする必要がありますが、とどのつまり痛客に深く意識を向けなければ努力せずとも習得できます。

「キャバクラに痛客あり」はある意味当然

「キャバクラに痛客あり」はある意味当然

あれこれ痛客様との思い出を書きましたが「キャバクラたるもの痛客は当然」とも思うのです。


だって、酒屋で1,000円で売られている酒が10,000円する世界なんだもの。


「たくさんお金を払うんだから、ちょっとくらいワガママ言いたい!」と考える人間がいてもなんら不思議はありませんし、キャバ嬢さんたちのお給料が高額なのもそういう諸々の面倒事が加味された価格設定なのだと思います。

世の中にいる「無料で恋愛ができる男性」は女性に痛い愛なんか贈らないし、世の中にいる「水商売に縁遠い女性」は男性の痛い愛を拒否する権利を持っている。


と、個人的には考えています。

お客様に対し「年端もいかない小娘に欲情してんじゃねえ」と思ったこともありますが、年端もいかない小娘のくせに他人の欲を煽って金儲けすることを選んだのは私です。

こう思うようになってからは大概の痛客に対し「あらら~いたた~」くらいの感想で済みましたし、反対に良客のありがたみが一層身に沁みました。


私の場合は結果的に、世の中にはいろんな人間がいるなあと知ることができ、今でも人間観察が趣味になったので、痛客との出会いが無駄だったとは思いません。まあ現役当時はそんなこと微塵も思いませんでしたがね。


当時、一瞬でも私を指名した痛客に幸あれ。


んじゃまた。