小細工しても裸一貫でも、死ぬときは死ぬ。こんにちは、どぶのごみ子です。
向こう数十年は生きるつもりにしている私ですが、このたび“エンディングノート”なるものを買ってみました。
孤独死まっしぐらな私は「死んだ後は煮るなり焼くなり好きにしてくれ」と思ってはいるものの、これも立派な望みであり、伝えなければ伝わらないことだと気づいたからです。
しかし私は、エンディングノート初心者の32歳。
そのため「同じ30代はどんなエンディングノートを使っているのか」が気になったり「初心者でも簡単に書けるエンディングノートが欲しいぞ」と甘えたことを考えたりして、ノート選びに四苦八苦しました。そもそも32年も生きたわりに、たっぷり書くほど濃い人生を送ってもいないのです。
ということで今回は「30代どぶの、エンディングノートに挑戦する」がテーマです。
エンディングノートとは
エンディングノートとは、その名の通り人生のエンディングに活躍するノート。
自分が死んだ後にやってほしい手続きや、訃報を届けてほしい人の情報を生きているうちに書きまとめておくことで、遺された人がスムーズに動けます。
ただし、遺言状には法的効力がありますが、エンディングノートには法的な強制力がないそう。
なので心持ちとしては「私が死んだらこんな感じに物事進めてほしいかな!ま、無理っていうなら仕方ないけどね!」くらいの感じで書けばよいかなと考えています。
ちなみにエンディングノートは法的効力がないぶん気楽なもので、どこに何を書いてもいいですし、書き直しや付け加えもOK。
フリーダムなわりに、いざというときはきっと役に立つ、デキる奴なのです。
30代にエンディングノートは必要?
30代だけに限った話ではなく「順当で行けばまだまだ死なねぇだろ」みたいな年代の人間こそ、エンディングノートが必要ではないでしょうか。
なぜって、そんな人は本人のみならず周囲の人間も「こいつは若いしまだ死なねぇだろ」と思っているので、いなくなることに対して誰も何の準備もしていないからです。
ですが、たとえば何の準備もしていない30代の人が急に亡くなると、遺された人はテンパるどころの話じゃありません。
「わしが死んだら~…」みたいな冗談めいた例え話すら出ない年代だからこそ、遺された人はどんな葬式にしたらいい?てか葬式に誰呼ぶ?メインで使ってる銀行ってどこ?と右往左往。
そもそも年代に関係なく、どうしてほしいのかわからないまま故人を弔うと、遺された人はいつまでも「本当にあの弔い方でよかったのか…?」と考えてしまいます。
だからエンディングノートは「この年代だから必要」というものではなく、万が一に備えて誰だって書いておいたほうがいいのでは?と、私は思うのです。
30代の私がエンディングノートを書こうと思った理由
親ほど年の離れた知り合いの、お嬢さんが亡くなったからです。
お嬢さんは私と同じ30代で、本当に前触れのない突然死でした。
だから何もなかったのです。「死んだらこうしてほしい」というヒントが。
困り果てた知り合いは“娘と年の近い唯一の知り合い”である私に、スマホやSNSのこと、同世代ならではの好みなどを聞いてきました
…が、私とお嬢さんには直接面識がないので、聞かれたところでさっぱりわかりゃしない。
そのときの、途方もない口惜しさったら本当に文字にしようがありません。
「自分なんかまだまだ死なない」と思っている30代が、ある日突然死んでしまうこともあるのだと。
遺された人の多くは、本人との繋がりの有無にかかわらず「できるだけ故人の意向を汲みたい」と思うものなのだと。
改めてそう気づいたので、私はエンディングノートを書こうと思ったのです。
30代のエンディングノートを選ぶコツ
書きたい内容がちゃんと書けるか
エンディングノートは書き方が決まっていないぶん、内容や様式にかなりバラつきがあります。
よって、自分がどんなエンディングノートを作りたいのかをあらかじめ明確にし、その内容が書けるノートを選ばなくてはいけません。
また、私はあくまで私の後始末をする誰かが困らないよう、必要最低限の情報をまとめておきたいだけで「自分史」や「大切な人へのメッセージ」を遺したいわけではありません。
よって、やたらとそういうのにページを割いている商品も選ばないようにしました。
お手頃価格か
考え方や状況は人それぞれですが、30代のエンディングノートは気軽に購入できる「お手頃価格のノート」のほうがいいと思います。
いくら書き足しや書き直しOKといっても、30代が一冊のエンディングノートを死ぬまで使い続けるのは難しいケースのほうが多いでしょう。
もしも私が今から50年くらい生きたら、住む場所や保有している口座など、きっと何度も情報が変わります。
そのたびに上書きしてもいいですが、長い年月をかけて追記しまくれば、もう何が何やらぐっちゃぐちゃになるのは確実なので、私は数年に一度はエンディングノートを新調する予定です。
しかしそんなとき、お高いエンディングノートを使っていると、もったいない精神で使い続ける。
したがって、これから何年も生きることが想定される30代は、お高いエンディングノートよりも必要に応じてすぐに新しいものに乗り換えられるお安いノートのほうがいいと思うのです。
分厚すぎないか
エンディングノートは、ぶっちゃけ書くのが面倒くさいです。
「口座情報」というたった1項目を埋めるためだけに、支店や口座番号を確認する必要があり、スラスラとは書き進められません。
そのため、30代初心者の分際で内容てんこ盛りの分厚すぎるエンディングノートを選んでしまうと、書いてる途中で心が折れて放り投げる恐れがあります。
「ノートをまとめるのが好き!」とか「コツコツ時間をかけて取り組みたい!」とかいう猛者なら話は別ですが「書いてみようかな」くらいのゆるい気持ちで始める場合は分厚すぎるエンディングノートは避けたほうが無難でしょう。
薄いエンディングノートから始めて感覚を掴めれば、次回は分厚いノートを購入すればいいのです。
30代の私は100均のエンディングノートを購入
当初は予算1,000円前後で考えていたのですが、ある日、家から徒歩3分のセリアでエンディングノートを発見。
そのままお試し感覚で購入してみました。
ちなみにこちらの100均エンディングノート、後日キャンドゥでも見かけましたよ!
個人的には「大して書くことない30代なら100均でも充分じゃん!」と思ったので、少しだけ中身や使ってみた感想をお伝えします。
100均のエンディングノートの中身
100均のエンディングノートの中身はこんな感じです。
ふむ、私の書きたいことはだいたい網羅しておる。
エンディングノートは全部埋める必要もないとのことなので、私はとりあえず「今すぐ死んだとき用」として
- 預貯金口座
- クレジットカード
- 口座引き落とし
- 保険
- 連絡先
から埋めていっています。
実際に書いてみた感想
「とりあえず書いてみるか」という30代や「そこまで本腰入れて書く気はないけど興味ある」みたいな人には、100均のエンディングノートでも充分だと思いました。
100均のエンディングノートは、内容もシンプルなうえ記入例を載せてくれていて、初心者にも優しい設計になっています。
まあ100均クオリティなので紙は薄めですが、書いた字が裏まで透けちゃうとか無駄ににじむとかってほどでもありません。
ただ、少し気になるところとしては、やっぱり超薄型なだけあって記入できる項目が少ない。
たとえば、記入できる預貯金口座やクレジットカードの数はそれぞれ4つ。
クレジットカードはともかく、私は口座を5つ持っていたので、欄が足りませんでした。
ですが「使ってない口座は整理しとけよ!」的なアドバイスが掲載されているので、欄が少ないのは意図してのことなのかもしれません。事実、私も5口座中、動いてるのは3つくらい…。
しかし個人的には、110円でこのクオリティなら上出来だと思います。
30代のエンディングノートとして検討中の商品
とりあえず今は、買ったばかりの100均エンディングノートをしばらく使う予定にしています。
しかし、実は検討していた商品もいくつかあったので、数カ月で気がコロッと変わって乗り換えるかもしれません。
ここでは、いつか私が乗り換える予定のエンディングノートを記録がてらまとめておきます。
コクヨ エンディングノート もしもの時に役立つノート
丈夫なコクヨ帳簿紙を使用した、長期保存に適したエンディングノート。
死亡時だけでなく、入院時やうっかり財布を落とした時などにも対応できるよう想定して作られており、生活の備忘録としても役立ちそうです。個人的には現在の本命。
記入できる主な項目は以下の通り。
主婦の友社 おひとりさまのはじめてのエンディングノート
「おひとりさまが得する情報が満載」と見て、気になっているエンディングノート。
解説やコラムページも多く、エンディングノートを書きながら知識を深められる一冊になっています。
記入できる主な項目は以下の通り。
リベラル社 一番わかりやすい エンディングノート
終活の流れに沿った構成になっていて、書きやすさが人気のエンディングノート。
大切な情報を隠すためのスクラッチシールがついており、秘密を保護できるところが魅力です。
記入できる主な項目は以下の通り。
30代、エンディングノート始めました
というお話でした。
エンディングノートは書くのが面倒に感じることもあるものの、いつかの誰かのためになればという思いでコツコツ書いています。
心身ともに健康な30代なら、書いたからといって必ず活躍する保証はありませんが、活躍しない=「もしものとき」が来ていないということなので、それはそれでいいんですよね。
あとは、保管方法も超大事。
本棚の奥とかにしまい込んでしまうと、いざってときに誰にも発見されず意味を成さない可能性が高いので、記入後もできるだけ目につきやすいところで保管する予定です。
人間は生きるのも厄介ですが、死ぬのも厄介なのですね。
んじゃまた。